協和音と不協和音、なじむものとなじまないもの。(テンション・リゾルブ)

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 世の中には、なじむものとなじまないものがある。溶けるものと溶けないものがある。くっつくものとくっつかないものがある。それと同じように、音でも、綺麗に響きあうものと響きあわないものがある。何気なく生きていると、そんなことを意識することはない。それが、どうしたと問われれば、それで終わりである。ネットで検索しても、色々なことが明記されている。ある意味、学術的に考察されているもので、それを見ても、強いインパクトをもつものでもない。それでも、ふと、立ち止まって、短い自分の人生というものを考えてみると、確かに、世の中には、なじむものとなじまないものとがあることが分かる。これも、相対的なもので、なじむものから、なじまないものを見れば、なじまないものは、不協という感じを受ける。音楽の用語に、不協和音というものがある。ドとソを同時に鳴らせば、普通の人は、心地よいと感じる。しかし、ソから半音下がった、ファ#(F#Gb)をドと同時にならすと、何か不安定な不協と感じる響きを持つはずである。もちろん、一番不協なのは、キーになる音がドであれば、それと半音高い音と半音低い音、どちらかを鳴らせば、つまり、ド(C)とド#(C#Db)を同時に鳴らせば、不快に感じる。それは、ファ#(F#)が悪いわけではなく、あくまで、キーとなる音がドであるから、そうなるわけである。ドとソの関係は、平均律の音階であれば、シとファ#と同じになる。ともに、難しい言葉を使うと、完全5度の関係にある。ピアノの鍵盤を、ドからソまで、白と黒をかぞえれば、7個ある。シとファ#も7個である。その間隔が、7個あれば、その二つの音に完全5度の関係がなりたつ。(音楽は、難しいようで、そのロジックは、いたって単純なのである。)普通の人は、ドとソを鳴らしても、シとファ#を鳴らしても、同じように聞こえるだろう。音の高さの違いはわかっても、それが、どうなのかは、分からないはずである。それが分かる人が、絶対音階が分かる人だということである。

 

 ちなみに、ドとソを鳴らしても、調性は分からない。しかし、それに、ミを鳴らせば、ド、ミ、ソの和音になる。絶対音階を感受する人は、それで、Cメジャーと言い当てる。ちなみに、ミb(レ#)を鳴らせば、それで、Cマイナーだと分かるのである。ちなみに、シとファ#にミB(レ#)を鳴らせば、Bメジャーだと分かり、レを鳴らせば、それで、Bマイナーだと分かるのである。普通の人は分からない。仮にそれが分かったとしても、それで、何かしらの価値を生むものではない。ただ、分かる人だけで終わってしまう。

 

 中学までの義務教育の中で、誰でも楽譜と向き合う時期がある。よほど、音楽的な英才教育を受けた人以外は、楽譜に#(シャープ)やb(フラット)がたくさん付いていたら、嫌になる。だから、何も付いていないものが好まれる。つまり、ピアノやオルガンでいう、白い鍵盤だけで弾ける曲が、ドをキーとしたハ長調ということになる。Cメジャーである。ちなみに、シをキーとしたものであれば、シャープ(#)が、5つ付くことになる。ロ長調であり、Bメジャーである。基本的に、ハ長調もロ長調も同じである。音の高さが違うだけである。カラオケで、ハ長調の歌が高すぎて、一度さげろといわれたら、ロ長調にするだけである。カラオケマシーンは、簡単にできる。もし、それを流しの叔父さんがギターで速攻でやれば、すごい人だということになる。

 

 不協だということは、不安定ということである。なじまないものを一緒にしていたら、分離してしまう。安定しないからである。世の中は、常に、安定を求める。水に物が溶けるというのも、水の分子の中に、入り込めるからである。そして、お互いがエネルギーを下げあう方向に動くからである。それが、時間を生む要因でもある。音楽も、時間軸に対して、安定な方向へ持っていくことなのである。ドと#ファを鳴らす、緊張感がある。それは、反発するからである。ドの音を半音さげて、シをならす。そうすると、シとファ#の綺麗な音になる。それが、音楽になる。緊張をつくり、それを解消する。そのユニットの繰り返しが音楽である。

 

 エネルギーが高い状態は、不安定なのである。それを短絡的に解消していけば、乱れてしまう。自己破壊が生じる。この世の中は、すべてが、なぜか分からないが、そういうふうに成り立っている。エネルギーが高い状態から低い状態へ解消するのが、どうも世の中であるようである。そして、世の中の正解は、美しい方向へ、心地よい方向へと解消するのが、いいようである。たぶん、ストレスは、緊張を生む、エネルギーの高い状態を美しくない方向へ解放していったら、病気になる。最悪は、ガンになるかもしれない。世の中は、乱雑である。なじむものとなじまないものが、一緒になっている。エネルギーの高い状態である。会社が再編したり、新規事業を起こしたり、新しいものが入ってくれば、当然にエネルギーが高い状態になり、人は、ストレスを受ける。そして、人それぞれの解決方法を人生から求められる。病気になる人もいれば、去っていく人もいる。美しくなじむ人もいる。それによって、それぞれの人生は変わるようである。色々なものが混ざり合う。ごちゃごちゃになる。そして、そのごちゃごちゃの緊張(テンション=ストレス)を解決(リゾルブ)する方向に時は流れる。美しくまざりあい、その新しい混ざり合うもので、美しい秩序が形成される。それとなじまなければ、その系内からはじかれる。

 

 音楽と同じように、世の中は、テンションがテンションリゾルブし、ハーモーニーが生まれる。いずれ、それが、エントロピーで崩れ、再度テンションへと向かう。その輪廻転生の繰り返しである。それは、まったく、音楽の作り方と同じなのである。そして、世の中の経済の動きもそれと同じなのである。今回の世界大不況は、テンションを上げたのである。何かが変わるからである。そして、テンションリゾルブし、新たな秩序が生まれる。その過程で、それとなじまないものは、倒産したり、市場から排除されたりして、淘汰される。その新たな秩序と美しく協和できる国、会社、個人が、生き延びることになる。たぶん、この理は、なかなか実感できないだろう。しかし、それが見えると、自分の人生をどういうふうに、内部にもっている命というテンション(緊張)をリゾルブしていくか、そして、最終的に、あの世とどう美しく協和していくか、そのテンションリゾルブの方法が見えてくるはずである。

 

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このページは、中野満が2008年11月27日 13:17に書いたブログ記事です。

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