初代新幹線「0系」がなくなってもまだ「100系」がある。

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 東海道新幹線も、0系、100系、300系、500系、700系、N700系と6種類の車種が走っている。そのなかで、昭和39年の開業以来のモデル0系が、11月30日で、最終定期運転から、姿を消すことになった。後は、臨時便として、運転することだけだろう。仕事がら、新幹線はよく利用する。だから、0系でも、内部座席の変化は、時代の流れとともに、記憶に残っている。最初は灰色と背もたれがブルーの2列3列で、座席方向も、押して倒すものであった。今の快速や新快速のリクライニングがついていないものと同じである。そして、リクライニングの要望があり、あの不評のオレンジの座席が登場したのである。二列側は、回転させることができた。しかし、3列側は、回転させるためには、100系と同じくらいの前後の座席空間が必要だったのである。それがないため、とんでもない方法をとったのである。固定である。簡易リクライニングはできるが、椅子の方向が固定だったのである。なんと、前と後ろ側が、逆なのである。3列の後半は、後ろ向きになったのである。そして、時代が豊かになり、1985年から1992年にかけて、先端がまるからとがった形で、2階建ての100系が登場したのである。そして、座席間も、98cmから104cmになり、3列シートをやっと回転できるようにしたのである。0系と100系は、基本的に同じ発想で作られたものである。新幹線は、初めての高速定常運行である。あたりまえだが、運行していくと、色々なところに不具合が見つかる。0系での問題点を次の100系である程度、解消していったのである。だから、0系で培われた技術は、まちがいなく、100系に移行されたのである。しかし、0?100系と、それ以降の300系―N700系は、あきらかに、設計が異なる。今では当たり前の東京―大阪2時間30分の高速化に、100系の技術では対応できなくなったのである。高速性、と耐久性と安全性と費用対効果性、矛盾する問題を対処するには、0?100系では、限界が来たのである。

 

 新幹線から、完全に食堂車が消えたのは、300系からである。0系新幹線は、まさしく、昭和の高度成長を支えた団塊の世代を象徴するものである。しかし、昭和の火が、完全に消えるのは、実は100系新幹線が消えるときなのである。0系新幹線は、戦後の復興の延長線にある機種である。そして、日本が世界で一番とうかれ上がっていたときに作られたのが、それを受け継いだ、100系である。逆に言えば、今の新幹線よりも、豪華な電車なのである。食堂車、ビッフェ、二階建て車両、2階がグリーンであれば、一階は2列2列の普通車、そして、個室付き車両、特に、グランドひかりのグリーン車は、今の国際線のビジネスクラス並みの座席装備が施されていたのである。

 私が、学生のころ、東京ー広島間の0系新幹線で、車内販売のアルバイトをした。今から振り返れば、夏休みの良い思い出になった。当時は、食堂車とビッフェがあり、車内販売にも、それなりのスペースがあった。東京から広島までの各地域の名産品を車内で売りに歩いた。寅さんではないが、今でもその口調が残っている。そのころは、ブルートレイン(20系、14系、25系)があり、581系583系の電車寝台も走っていた。パソコンというものもなく、携帯電話もなく、書きとめるものは。紙とシャープペンシルであった。何かあるにしても、公衆電話と手紙ぐらいしか、情報を交換するものがなかった。そのなかで、東京と大阪を3時間10分、東京と九州をブルートレインなら丸一日掛っていたのが、7時間以下でいけるのであるから、画期的なことであった。

 

 0系が何故、これほど、惜しまれるかは、今の700系シリーズの軽量化と合理化の車体を見ているからである。それは、蒸気機関車の廃止と重なるからである。0系は、重量感をもつ。がっしりと作られている印象があるのである。それと、丸みのある流線形が、人間を連想させるのである。関西地区には、昭和40年代から50年代に作られた車両がまだ走っている。クリーム色とオレンジのこだま型の色雷鳥の485系、北近畿にはまだ、こだま色の183系が使われている。そして、きたぐにには、583系が使われている。いずれ近いうちに、新幹線の100系とともに、全部、廃止されるはずである。それらが、消えたとき、昭和は完全に消えることになる。

 

 

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このページは、中野満が2008年12月 1日 13:21に書いたブログ記事です。

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