麻生太郎首相の高齢者は働くことしか才能がないという最後の問題発言

 悪気があっての発言とは思えないが、どうして、麻生首相は、言わなくてもいいこと、逆に、言ってはいけないことを、70年近くも生きてこられて、あえて言うのだろうかと、不思議に思う。武部元幹事長が、徳がない、恥じる心がないと、いったことと、連動するかもしれないが、普通は、そういうことはいわないしいえないものである。逆に言えることは、よほど、自由闊達に、放任されて生きてこられたのだと思う。やはり、その裏には、祖父吉田茂元総理、麻生財閥の御曹司という肩書きがあるからであろう。当然、いまでも、失言を繰り返している。普通であれば、内閣総理大臣という最高の地位まで上り詰めることなど不可能である。それが成り立っている以上、麻生首相の背後には、その失言さえも、消去できる大きなものが、存在しているのだろう。もちろん、麻生首相には、失言や問題発言という意識がない。あえていったのなら、大問題である。問題は、自分が置かれている立場、状況によって、自分が発する言葉がどのように、受け止められるかを分析する能力が乏しいといっているのである。日本国の首相である。これではなさけない。

 

 衆議院選挙前である。時期が時期である。民主党が世論ではリードしている。その矢先、何か言えば、それがどういうことになるかぐらいは、わかりそうなものである。限られた時間とスペースに、麻生首相の言葉が全部のることなどない。要旨が伝わるぐらいわかりそうなものである。だから、「高齢者は働くことしか才能がない、80歳を過ぎて遊びを覚えても遅い。60を過ぎて80過ぎて手習いなんて遅い」、この言葉が、一斉に独り歩きする。選挙前なら、どうでもいい、国会で、私の趣旨はこういうつもりで発言したと、弁明の機会が与えられるからである。選挙戦突入である。これで、一端、収まった反麻生派は、息をぶり返すはずである。野党は、その言葉尻を捕まえて、とんでもないことをいう自民党に、政権を担当する資格はないと、かならずいう。高齢者は、働くことしか才能がない。高齢者になって、手習いなんてしても、無駄、遅すぎるといっているのである。言葉は悪いが、この場合の労働は、単純労働である。高齢者になれば、手習いなどできないとまでいったのであるから、体を使った単純労働をしなさい。それで、お金をもらって、税金を払いなさいといったのである。

 

 麻生首相を弁明するわけではないが、たぶん、自民党や公明党は、麻生首相の言葉を正確に伝えるために、使わなくてもいい能力をこれから使うことになる。それをいわなければ、自民党、公明党は吹っ飛んでしまうからである。それほど、神経を使わなければならない問題である。それを、麻生節で、この時期にぺらぺらとはなし、他の人に迷惑を掛けること自身が大問題である。あきらかに、リーダーとしての資質を今度は、とわれかねない。内紛が勃発する。麻生首相は、下記のように、言えば、何も問題などおきなかったのである。

 

 日本の65歳以上の人は元気で働いている。20%以上が65歳以上である。働けて介護を必要としていない人が8割はこえている。8割は元気である。その人たちは、働くことに生きがいを感じている。(ここで、麻生首相は、働くことしか才能がないと思ってください、といったのである。漢字の読み間違いと同じように、日本語の流れを読めなかったのである。)働くことが生きがいであれば、そこに生きる力がわいてくる。その力を利用して、豊かな明るい日本を築いていきましょう、といっておけば、何も問題はなかったのである。

 

 政治家にとって、言葉は命である。言葉によって、印象がちがう。そして、今はリアルタイム、ハイビジョンである。あの自民党での議員総会で、中川元幹事長を上目遣いににらみつけた麻生首相の表情、中川元財務相の酔態のオババ・・発言、その一瞬で、今まで積み上げてきた実績もパフォーマンスも演技も、すべてが雲散霧消に帰してしまう。晩節を汚すという諺がある。まだ、「私には、あなたとはちがって、自分を客観的に見る力はあるんですよ」といって、総理大臣を辞めた福田元首相の方が、言葉は命という意味をよく理解されていた総理だったような気がする。やはり、総理大臣になられる人には、言霊を操れる能力があったと思われる。費用対効果のない言動を繰り返す麻生首相に、言霊を操れる資質があるかと問われれば、あるとは断じていえない。民主党がなろうが、自民党がなろうが、次の内閣総理大臣の資質には、かならず、この言霊を操れる資質がはいることである。政策がいいかどうかではなく、その言霊を操れた最たる人が、故田中角栄元総理大臣と小泉純一郎元総理大臣であったことは間違いはない。

 

 

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このページは、中野満が2009年7月26日 07:16に書いたブログ記事です。

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